マネジメントにおけるコミュニケーションとは?|経営の神様P.F.ドラッカー氏の提唱する、「組織内のコミュニケーション」の真意
投稿日:2024年2月2日 / 最終更新日:2024年8月20日
マネジメントは、人と組織の成果と責任に重要な役割を果たします。
人々の強みを最大限に活かし、弱みを克服することで、共同で成果を上げるための環境を整えます。
リーダーシップ、コミュニケーション、管理リソースなど
多くの側面から組織を効率的に運営し成果と目標達成に向けた方針を確立します。
今回は、組織内で働く知識労働者のマネジメントとコミュニケーションの情報をお伝えします。
マネジメントにおけるコミュニケーションの必要性
「マネジメント」とは何か?
マネジメントとは人のことである。マネジメントとは、人にかかわるものである。 その機能は人が共同して成果をあげることを可能とし、強みを発揮させ、弱みを無意味なものにすることである。『新しい現実』より P.F.ドラッカー |
マネジメントは、組織やチーム内で人々とかかわり、協力して共同の目標を達成するプロセスです。
コミュニケーションはマネジメントにおいて、主要な役割を果たします。
リーダーシップ
マネジメントは、組織やチームのリーダーシップを担当し、方向性を示し、ビジョンを共有します。
リーダーはチームで目標を設定し、チームメンバー一人ひとりの目標にかかわるために、
コミュニケーション能力が求められます。
強みの発揮
マネジメントは、個々のメンバーの強みで仕事をし
それぞれの弱みをなきものとするように組み合わせます。
マネジメントは、メンバー一人ひとりの「強み」「弱み」を把握し
それを組み合わせて最大限の成果を得るコミュニケーション能力が求められます。
チームメンバーが得意分野でもっとも輝けるようサポートします。
弱みの克服
マネジメントは、個々のメンバーの弱みや課題を理解し、
それを意味のないようにするための支援をします。
メンバーを理解し、支援するにはコミュニケーション能力が求められます。
チームビルディング
マネジメントで成果を上げるには、専門家同士の協力とチームワークが不可欠です。
マネジメントは、個性豊かなメンバーの間の信頼関係を強固にします。
チームの一体感を高め、共同作業の効率を向上させるコミュニケーション能力が求められます。
モチベーション
マネジメントは、メンバーのモチベーションを高めるために
業績評価をコミュニケーション手段として利用し、適切な評価・理解を提供します。
そして、さらなる貢献・目標達成に向けて励まします。そして、継続して成果を評価します。
知識社会の武器「情報活用」
マネジメントは、チームや一人ひとりのメンバーにとって効果的な情報を共有し
方針や目標を共有します。
また、メンバーからのフィードバックを相互に受け入れ、さらなる貢献に取り組みます。
もちろん、コミュニケーション能力が求められます。
リソースの配分
マネジメントは、人材、資金、時間などのリソースを効果的に配分し
プロジェクトやタスクの生産性に貢献します。
資源の最適利用を担保します。コミュニケーション能力が求められます。
マーケティング & イノベーション
企業の基幹活動は「マーケティング」と「イノベーション」の2つです。
マネジメントは、組織外での変化をビジネスの機会とし
適切な戦略やプロセスの変更や立案をします。
変化を受け入れ、適応する支援を行うために
コミュニケーション能力が求められます。
社員を引き止める力とは何か?
成果を上げる社員を引きつけるものは、面白い仕事であり、意味ある貢献である。高度のスキルを持つ知識労働者は、往々にして転職能力が高く、無条件の忠誠心など持たない。P.F.ドラッカー |
成果を上げる社員を引きつけ、組織を維持するためには、以下の考え方が重要です。
私の経営する会社は2011年から2020年までの約10年間、正社員の離職者が“0”人でした。
その実績を踏まえ、高い能力を持つ社員を引き止めるコツをお伝えします。
魅力的な仕事を提供する
働く者は、貢献できる魅力的で挑戦的な仕事を求めています。
個人の強み・能力・スキルや価値観に沿った仕事をしてもらうことで成果につながります。
目標設定と評価|支配的統制 vs 自己統制
能力の高い社員の働き方を、支配的統制で管理することは困難です。
高い能力を持つ知識労働者は、考えているのか、ボーっとして寝ているのか、見分けがつきません。
彼らを統制するには、知識労働者自身に自己統制する能力を身に付けてもらうことです。
そうすることで、目標と評価基準が分かりやすくなります。
スキルアップ
自己成長に貪欲な知識労働者のスキルアップとキャリア形成のサポートは、必要不可欠です。
組織内にいて成長が見込めない場合、彼らは転職に引け目を感じません。
適切な評価
優れた成果を上げるチーム・社員は、適切な評価を求めます。
パフォーマンスベースの成長報酬、物心両面への報酬がモチベーションを高めます。
協力
共通の目標、共通の価値観、適切な組織、訓練と研鑽によって
人が共同で成果を上げるようにすることで、
知識労働者は満足します。
ワークライフバランスの尊重
ワークライフバランスを尊重し、適切な労働条件と休暇を提供します。
社員が健康で充実した生活を送るためのサポートを提供します。
イノベーション
メンバーの斬新なアイデアを歓迎し、新しいプロジェクトへの参加を奨励します。
イノベーション思考を奨励し、組織全体の発展に貢献するチャンスを与えましょう。
柔軟性と自己決定感
社員に柔軟な労働環境と自己決定権を提供し
個人の働き方に合わせた選択肢を提供します。
そうすることによって個々が責任も持った仕事をするようになります。
コミュニケーションとは何か?
ドラッカーは、マネジメントにおけるコミュニケーションの基本原則について
次のように述べています。
われわれは、コミュニケーションについて、次の四つの基本を学んだ。 (1) コミュニケーションは、受け手に知覚されてはじめて成立する。 (2) コミュニケーションは、受け手に期待されてはじめて成立する。 (3) コミュニケーションは、受け手に対する要求を伴っている。 (4) コミュニケーションと情報は異質なものであり、実際、相反するところが多い。 とはいえ、両者は相互依存の関係にある。『マネジメント』より P.F.ドラッカー |
ドラッカーの提唱するコミュニケーションは、組織のための手段ではなく
組織のための「様式(モード)」であるとされています。
それは、「私」から「君」へ一方的に向かうものではなく
「われわれ」の中の一人から他の人へ向かうものです。
ソクラテスは「人に話しかけるには、相手の経験をよりどころにして、たとえば大工に話しかけるには
大工世界の言葉を使わなければならない」と説いています。
ドラッカーも「人は言葉だけを伝えることはできない。言葉と共につねにその人全体もついていく」という言葉を使って、同じように、「その人の持つ背景はコミュニケーションに欠かせないものである」と述べています。
コミュニケーションに関して詳しくは、下記ページを参照してください。
マネジメントにおけるコミュニケーション研修の詳細は、下記ページをご覧ください。
まとめ
組織内で働く知識労働者のマネジメントとコミュニケーションを紹介しました。
マネジメントにおけるコミュニケーションは重要で
リーダーシップ、強みの発揮、チームビルディング、モチベーションなどに影響し
人と組織の成果と責任に重要な役割を果たします。