『自分を責めてしまう』『落ち込みやすい』そんな自分を変える方法とは?
投稿日:2022年11月2日 / 最終更新日:2024年9月5日
仕事で失敗してしまった……あのとき、こうしていたなら……もっと積極的に動けていたなら……
私たちは、ものごとが上手くいかなかったときに、自分を責めて落ち込んでしまうことがあります。
自分を不甲斐なく感じて、苦しくなります。「こんな感情はすぐにでも手放してしまいたい」そう思うこともあるでしょう。
しかし、実はこの感情には、あなたにとって大切な意味があります。
自分を責めること、ネガティブな気持ちになるのは、悪いことだけではないのです。
そもそも、自分を責めて「苦しい」という気持ちは、何なのでしょうか?
どうして苦しくなるのでしょうか?
自分を責めてしまいがちな人、ネガティブな感情から気持ちの切り替えが難しい人へ。
あなたが苦しいと感じている感情の正体、上手な付き合い方や改善方法をお伝えします。
自分を責めるとき、あなたに何が起こっているのか?
自分を責めるとは
責めるという行為には、自責(自分を責めること)と他責(他を責めること)があります。
「自分を責めること」は、自分で自分の過ちをとがめること。また、自分に責任があると考えることです。
私たちは小さい頃から、何か問題があると、何が原因でそうなったのか「責任の所在」を求められます。
そして、少しでもあなたにも否があるならば、「人のせいにしない」と教えられてきます。
自分も責任を担う当事者であり、自分の何が悪かったのかを考えることが、自己成長へと繋がると考えられているからです。
また、「自分を責めること」は「他を責めること」よりも、優先して考えた方が良いものであると学習しがちです。
自分を責める目的
私たちが、自分を責めることの目的は、「自分に問題があったと認識し、問題解決に繋げること」です。
私たちは人間ですから、誰しも間違えることがあります。
そして、間違えたことで「学ぶチャンス」が提供されるのです。
「成長したい」「評価されたい」「責任を全うしたい」というあなたの願望を達成することに繋がります。
ですが、小さい頃、「人のせいにしない」と教えられた際に、自分を責めることの「目的」を理解できていたでしょうか?
ただ、自分が悪かったと反省する行為だけになっていませんでしたか?「自分が悪い」と自分を責めて落ち込んで、「次は同じ過ちを起こさないようにしよう」と、そこで終わりにしていないでしょうか。
同じことが起こらないようにするためには、今までとは違ったやり方を学ぶ必要があります。
ただ「同じ過ちを起こさないようにしよう」と思っているだけでは、それは単に気持ちの問題であり学習ではありません。
学習をしていないので、同じ過ちを犯す可能性は変わりません。
ただ、自分を責めて落ち込んで、ネガティブな感情を味わうだけの状態となってしまいます。
ネガティブな感情・思考はやむを得ない
人が1日に行う思考のうちの約80%は、ネガティブな思考であるといわれています。
「大丈夫かな?」「できるかな?」「間に合うかな?」というような、そんなちょっとした不安な気持ちも含まれます。
このネガティブな感情や思考は、あなたを危険から守るためにとても重要な感情です。
脳は「生命の危機=危険」に対して、真っ先に反応をします。
これは生き物としての本能であり、私たちは安心・安全を優先します。
そのため、ネガティブな思考を利用して、起こりうるリスクを回避しようとします。
「失敗するかもしれない」と考えてしまうのは、現状の安全な状態から変化することを恐れてしまうからです。
人が、できたことよりも「できなかったこと」を強く記憶するのもその1つです。
再び傷つくことを避けるために、私たちの脳は、「できなかったこと」をしっかりと記憶してしまうのです。
自分を責める際に発生する、苦しい気持ちの正体
自分を責める際に、ネガティブな思考によって、苦しく感じることがあります。
この苦しさは、あなたの「葛藤」です。
今までは、安心安全を優先して選択してきた行動や思考が、あなたの「成長したい」気持ちによって窮屈に感じるようになり、葛藤となって現れているのです。
- 逃げてしまったけど、逃げちゃダメだったよな
- 積極的に発言したかったけど、恥ずかしくてできなかった
- 何であのとき、気づくことができなかったのだろう、本当はできたはずなのに
怒り、孤独、怖れ、罪悪感、不安、不一致感、焦り、寂しさ、悲しみ。自分に対して、このようなネガティブなものを感じているとしたら、歓迎してみてください。
その悩みは、あなたをもっと飛躍させるために存在しています。
それは、あなたが成長する、変容するチャンスです。
また、自分にこんな葛藤があることだけ受け取り、現状維持を選択することもできます。
安全な場所にいたいというのは、人間の本能です。
後はあなたのタイミングで、あなたの気持ちに沿った選択をしてみてください。
しなやかに生きるためのヒント
成功者が実践していること
ネガティブになることを避ける必要はありません。
大切なのは、あなたが「ネガティブな感情や思考を引きずらない」ことです。
ネガティブな感情や思考を引きずってしまうと、ネガディブにどんどん焦点を当てるため、芋づる式にネガティブな考えが出てきて、負の感情がループして悩むことになります。
辛いことを避けるため行動したくなくなり、どんどん後ろ向きに判断し、消極的になってしまいます。
これでは、成果を出すことはできません。では、卓越した成果を残しているものたちは、どんな実践をしているでしょうか?
ここでは3つご紹介します。
①良いところに目を向ける
成功者ほど、自分の良いところに目を向けています。
最高の人生を送ることは、自分の固有の才能を認識することから始まります。
優れた自己認識、セルフイメージが、人生のあらゆる局面においての成功に役立つからです。
また、自然と良いところに視点を向ける習慣ができます。
良いところに視点を向けることで、「問題」ではなく「機会(チャンス)」や「可能性」に注意が向くようになるのです。
例えば、間食をしていたら体重が増えてしまい、自分の健康を気にするようになった方がいます。
問題を認識した際、まずは「間食をやめないといけないな」と考えるでしょう。
でもそれだけで、その人は健康になるのでしょうか?
間食で体重が増えたという「問題」ではなく、健康になるためにどうすればいいのかを考える「機会」に目を向けてみましょう。
すると、間食をやめる以外にも、「運動した方がいいかな」とか「バランス良い食事をよく噛んで食べて満足感を得てみよう」など、他の選択肢が出てきます。
「問題」ではなく「機会」に目を向けることで、選択肢が広がり、発生した問題だけではなく、あなたが抱えている本当の課題が解決するかもしれません。
成功者はこのような経験を繰り返すことで、また何か問題が起こったとき、「なんでダメだったのか?」とただ過去を責めて反省するだけではなく、「ゴールに向かうための、別のやり方を知るチャンスなのだ」と学習します。
②正しいことよりも楽しいことを選択する
成功者は、自分が「喜ぶ」「楽しむ」「面白がる」ことをとても大切にします。
「正しいこと」だけをやろうとしません。正しいことよりも、楽しいことを選びます。
それは、正しいことは続かないけど、楽しいことは続けられるということを知っているからです。
どんな心の状態で行動するかで、未来は変わります。
「次こそ、失敗しないようにしなければ……」「今度こそ、このようにやらなければ……」
上記のように「ねばならない」になった途端、仮にそれが大好きなことだったとしても、楽しい気持ちはどこかへいってしまい、やりたくなくなります。
同じ行動をするにしても、「今度はこうしなければならない」と「もう一度練習できる機会をもらったから、今度はこうしてみよう!」とでは、後者の方が楽しそうに感じませんか?
心の持ちようで、行動を起こすまでの時間、継続時間、時には結果も変わってきます。
③誰の問題なのかを確認する
成功者は問題が起こった際、「それが誰の問題なのか?」と、問題の所在を考えます。
- 自分の問題なのか、他人の問題なのか?
- 自分の問題であっても、今の自分で解決できるものなのか?
成功者は、自分が注力すべきことを知っています。
自分が悩むべき問題なのかを確認し、そうでないのであれば、すぐに手放します。
例えば、職場の人が、こんな悩みを持っているとしましょう。
「私はコミュニケーションがうまくとれない」「空気が読めない人と思われているのではないか?」でも、本当にそうなのでしょうか?
思い込みや先入観による解釈の問題ではありませんか?
他人が自分をどう思うかは、他人の問題ではありませんか?
他人の問題、環境の問題、才能の問題など、今の自分では変えられないことで悩んでいませんか?
誰であれ、その問題を所有する人が、問題を解決しなくてはなりません。
自分以外の問題をあなたが悩むのは、単なる時間の無駄です。すぐに手放してしまいましょう。
「自分を責めてしまう」を改善するには?
成功者と同じように「過去は未来のための練習」として生きる
成功者と同じ視点を持って、「過去は未来のための練習」と捉えてみてください。
過去にやってしまったことは、もう終わったことです。やり直すことはできません。
過去に囚われて生きるよりも、より良い未来を見て生きませんか。
誰かにそうさせられたのではなく、自分が楽しいと感じる未来を選び、自分で意思決定していきましょう。
「いっぱい練習できた私はラッキーだ」「これだけ練習したのだから、次は大丈夫だ」
そう、あなたは大丈夫です。本当は、失敗というものは存在しません。全ては「学び」となるのです。
自分を褒めてあげる
まずは「自分にとって良かったこと」を、毎日振り返ってみましょう。
良かったことや嬉しかったこと、感謝したことや感動したことなど、1日の終わりに振り返り、3つあげてみましょう。
その内容は「特別なこと」である必要はありません。
- 青空がとてもきれいだった
- 初めて作った料理を、家族が「美味しい」と言ってくれた
- 友達とのおしゃべりが楽しかった
このような簡単なものでも、大丈夫。
あなたが「好き」と感じていること、大切にしていること、感謝していることや感情。
自分のまわりにはどんな人がいて、毎日どのような経験をしているのか。
「こんなにたくさんの良かったことを見つけられる私って、素敵だな」と、自分自身を褒めてみてください。
これを毎日続けることで、「良いところ」や「楽しいこと」に自然とフォーカスできるようになります。
自分で自分を、「ご機嫌」にすることができるのです。
自分とコミュニケーションをとる
コミュニケーションは大きく2種類に分かれます。
1つは「他人とのコミュニケーション」、もう1つは「自分とのコミュニケーション」です。
自分とのコミュニケーションは、自己変化や自己成長に役立ちます。
長い人生の中では、時折、自分自身を振り返り、自分の内側に向き合って、これからの方向性について考えたり、整理したりすることがとても大切だからです。
この自分との内側での会話を、「内部対話」と呼んでいます。
自分とコミュニケーションをとり、自分の声に耳を傾けましょう。
あなた自身があなたの1番の理解者となって、寄り添ってあげてください。
自分とコミュニケーションすることで、もっと自分のことを大切にできるようになるはずです。
意識して自分とコミュニケーションをとることもありますが、あなたの内側での対話は、多くの場合、無意識に行われています。
あなたは、普段からどんな言葉を使っているでしょうか?どのような言葉が頭の中で繰り返されているでしょうか?
葛藤しているときも、自分を責めるときも、内部対話をしています。「ああ、もうどっちでもいいから決めてくれればいいのに」
「あーあ、またダメだった」「私はみんなを困らせてしまった」
人は、1日のうちに2万回以上、自分との対話を行っているといわれています。
繰り返し対話した内容は、知らず知らずのうちにより深く、自分の中に根付きます。
自分自身とどんな会話をしているかが、人生を作っているともいえるでしょう。
ネガティブな思考や感情は、ネガティブな内部対話を生み出します。
自分を責めて、「私はダメな人だ」との言葉をシャワーのように浴び続けていたら……
それは、あなたの人生から力を奪うことになります。
逆に、内部対話が、あなたを肯定し、活力や可能性を与えて続けてくれたらどうでしょうか。
そのような思考や感情などのパターンを身につけることができるとしたら、あなたの人生に起きる出来事や結果は、確実に変わってくると思いませんか?
先にお伝えした「自分を褒める」を習慣化することで、内部対話も変化します。
さらに早く、確実に効果をあげたいと望むのであれば、ぜひ、自分とのコミュニケーション方法を学んでみてください。
全てはあなたの心が決めていること
私たちは、事実と感情を一緒にしがちです。
期待通りの結果にならなかったとき、自分を責めて、怒りや悲しみを感じます。
そして、その感情を引きずったまま、次の行動を取ってしまうことがあります。
事実と感情は、分けて考える必要があります。
行動することは、とても大事です。
ですが、どんな心の状態で行動するのかが、さらに大事なことになります。
どんな心で、何かをするかで、未来は変わります。
「喜び」「楽しい」「期待」を膨らませて、心が躍るような未来を想像して、行動してみましょう。
そのように意識することで、あなたのエネルギーは変わってきます。
幸せは、自分の心が決めるものです。
あなたの心は、あなたの中から生まれます。
その心は、いつでも自由に生み出したり、変化させたりすることができます。
人は、成功したから幸せになるのではありません。先に幸せであることが、成功を生むのです。
心が変われば、結果も変わります。あなたを幸せにできる、心の状態を選択しましょう。