いとこ
3つ下のいとこが、
一人ぼっちで立っていた。
もう50歳近い男がポツンと立っている、
もっと早くそばに行って声をかけてやればよかった。
小さい頃。
彼とその妹と一緒に遊んだ。
まるで兄弟のように遊んだ。
兄弟のいない私には、
それ以上
兄弟の絆は分からないけれど、
それは懐かしい思い出…
彼にはいつも優しく見守る父がいた。
彼の父は、
私の母の弟。
私の母が長女で彼の父の姉。
彼の父が長男で母の弟。
ちょっと混乱…
そんな彼の父が旅立った…
ALSだった。
その告別式で、
私のいとこは立っていた。
参列者に頭を垂れ、
出棺まで気丈に喪主をつとめた。
彼の父が他界したのが13日。
告別式が昨日、18日。
どうにか告別式には間に合ったけれど、
その前に、
アイツに声をかけられなかったのか…
私はなんて愚かなのだろう…。
花入れの時、
アイツに声をかけたら、
「来てくれてありがとう」と言ってくれた。
そして、
その言葉が私を楽にしてくれた。
家族や親類と一緒にいる時間。
私にはとっても欠けている。